戦争体験者

 昭和20年8月15日に日本政府はポツダム宣言を受諾し、実質的に終戦を迎えました。戦後70年近くも経過した現在では、戦争は遠い過去の出来事のように思えてしまうのは仕方がない事なのかも知れませんが、私が幼少の頃も戦争というのは遠い過去の出来事だったという印象があります。しかしよく考えてみますと、私は昭和43年生まれですので、私が生まれる僅か23年前までは戦時中だったことを考えますと、どれだけ戦後の日本の発展が目覚ましかった事かと今更ながら思い知らされます。今から23年前と言えば、平成に入ったばかりで、大阪では花博が開催されたり、巷ではダイヤルQ2などという今でいう出会い系の通話などが流行ったころです。確かに自動車やコンピューターの性能など機械物のスペックが飛躍的に上がっているとしても、我々の生活全般では、戦後からの20年間の発展とは足元にも及びもつかない程度の進歩です。  
 それはさておき、戦後70年近くも経過した現在においては、戦争体験者の年齢も70歳を超えています。その為、貴重な戦争体験について語ることができる人々が、日に日に減っていき、語り継がれることが困難な状況となってきています。そんな中、先日見ていたTVで、広島の被爆者から若い世代の人たちにその体験を語り継いでもらい、その若い世代がそのまた下の世代に語り継いでいけるような試みがされている特集していました。引き継ぐ若い世代の人たちは、初めは使命感からか、志願して被爆者からの伝承を受けていたようですが、聞いていくうちに、果たして自分達が体験していないことを、体験したように語り継いでいいものなのか、ということを悩んだりされたようです。  
 何れにしても戦争の是が非を語る前に、体験談を正確に語り継ぐという事は、最も重要な事だと思います・・・。