植物の生命力

 会社の前の歩道には、イチョウの木などの植樹が沿道にされていまして、秋になりますと銀杏などが生り、季節を楽しませてくれています。ただ、イチョウの落ち葉の量は半端な量でなく、その時期になりますと毎日大きなゴミ袋一杯に落ち葉拾いを行う羽目になります。また、高木の為成長していくと電線などに絡み危険な為か、何年かに一度、枝の大規模な伐採が行政によって行われているようです。会社の前の木はこの周辺で一番大ぶりのイチョウの木ですので、その木がありますと、周辺でも一番落ちる落ち葉の掃除や、また店の前面が塞がれることもあり、正直申し上げまして、もうちょっと何とかして欲しいという気持ちがありました。それが昨年暮れに私が知る限り初めて業者の方が枝の伐採を初められた時には、「やっとか」と安堵したものでした。しかし、伐採が終わりその木を見ると、かなり大胆に「丸裸」にされていまして、見るに耐えないほどでした。人というのは勝手なもので、つい先程まで「やっと切ってもらえる」と喜んでいたのが、切り過ぎた状態を見て「可哀相」などと思うもので、こんなことを考えますと、行政の方は大変だよなぁとも感じたりします。
 その木がこの夏、丸裸の幹から新枝をぐんぐん伸ばし、なんと周囲の伐採していない木に負けないほどの葉をつけているではありませんか。しかも、その葉の大きさは伐採していない木の葉に比べ小さいものでも3倍、大きいものですと10倍くらいで、周囲よりも濃い緑の葉を所狭しと、ギュウギュウに広げています。太陽に当たる葉が少ない分、1枚あたりの面積を広げたのでしょう。何という生命力でしょうか。その生命力を感じた時私は、込み上げる感情とともに熱い血が全身を駆け巡り、暫く感動したままそのイチョウの木を見つめていました。
 それは今年も相当の落ち葉の掃除を覚悟しながら・・・。