千房社長 中井政嗣さん

 新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。
 また新たな年を迎え、気分一新でいこう!と年始の誓いなど行いたいところではございますが、それは自分達の生活がある程度安定している時や、先行き明るい見込みがある時には、望みを託して誓いなどを行おうと思いますが、100年に一度と言われているこの世界同時不況の先行きの全く見通しがきかない中で、気持ちだけ盛り上げるのは至難の業なのかもしれません。しかし、私個人としては、そういう悪い状況では勿論の事、そんな悪い状況でない時でも、そんな事を言い続けることによって世間の皆のマインドが下りますので、こんな事は言いたくないと思っています。
 そう思っていますと、以前講演を聞かせて頂いた事のあるお好み焼き千房社長の中井政嗣さんが、ある雑誌の対談で、『タクシーに乗る度に、運転手さんにお客さんが乗る度に「景気ようなりましたなあ」と言ってくださいとお願いするそうです。言われた客は「そんなことない」と答えても「乗ってくるお客さんは皆そう言ってはります」と言えば、「なんでうちだけ悪いのか」と考えるようになるんでそう言って下さいというのです。この記述の趣旨は部下の指導法というのがメインテーマだったので、読んだ時はさっと読み過ごしましたが、後でよく考えて見ましたら、今現在起きているこの世界不況も、皆が不況で株価や地価が下がると思い込んだ結果、その通りに進んでいるからで、バブル期のように皆が株価や地価は上がり続けるものだ、と思えば上がっています。
 これは極端な例ではありますが、結局好況や不況などは人々のマインドが支配するものと考えれば、先ほどの中井社長の思いを皆が実践すれば、この不況を乗り越えられるかも知れません・・・。