バカンス

 本当に月日の経つのが早いもので、これが今年最終のコラムになります。幼少の頃の1年間と40歳を越えた今の1年間の長さがこんなにも違うように感じるのは、人生の経験値から来るものでしょうが、それゆえに年を重ねるごとに1年という時間が短くなってきていることを実感します。
 そんな「日本人の年末年始」は、クリスマス商戦に踊らされた人々が、クリスマスが終わった途端に一気に正月に向けて大あらわになったあと、帰省ラッシュの一員に加わる為に車を走らせ、やっと迎えた正月には、人でごった返している初詣へ出かけ、これからゆっくりしようと思った頃に、再びUターンラッシュの一員に加わり、ようやく帰宅した翌日には会社へ出勤する、という仕事をしている以上に忙しい休日を過ごすという印象です。
 こう考えますと、日本人というのは休み、即ち「バカンス」を取るのが下手だとよく言われますが、それは根本的に、欧米の休日に比べて日本人の休日の日数が極端に短いのですから、そうならざるを得ないのでしょう。ですから日本人には「休日」はあっても、欧米でいう「バカンス」は存在しないということになります。
 そんな勤勉で休みもなく働いてきた日本も、米国を発端にした不況の煽りを受けて、今や大恐慌に発展する事態にまできてしまいました。今までは安泰と思われていた上場企業が次々に倒産に追い込まれ、日本で大多数を占める中小企業などは言わずと知れた事態になっているにもかかわらず、我が国の政府はそれを見ている“ふり”をしているだけです。こんな私でも彼らの政策の浅さがよくわかります。私は本心で当初から全く政治には期待していませんが、頼らざるを得ない立場の人などの事を、どう感じて、どうやっていくつもりなのか、一人の人間として是非聞いてみたくなります・・・。