りんごが教えてくれたこと 木村秋則さん

 先日電車で大阪に向う途中に読んでいた日経新聞の記事で、ものすごく興味を引かれたものがありました。
 それは「りんごが教えてくれたこと」の著者、木村秋則さんの記事でした。私は農業のことは無知ですので、当然ながら詳しくはわからないのですが、りんごという果実は他の果実を比べても非常に栽培が難しく、無農薬無肥料栽培は常識的に不可能とされていた果実らしいのですが、それを試行錯誤の末に可能にしたということでした。私は、早速携帯電話を使い、ネット通販で注文しました。届いてすぐに読んだのですが、木村さんの成功までの苦労話は想像の域を超えませんでしたが、果実や作物の話は私の想像を超えるものでした。
 例えば、私の知識では、農薬を減らしたり無くしたりした作物は虫が食って見栄えが悪い、という認識でしたが、無農薬無肥料を徹底して行い、自然環境や生態系を再現した農地で栽培する農作物は、そんなに害虫に食われるどころか、その害虫を食べる益虫も繁殖する為、逆に被害が少なくなったり、また有機栽培は体に良い、という認識でしたが、これもしっかりと熟成させた堆肥を使用しないと、幼児などには致死量をはるかに超える程の窒素含有量の多い作物ができたりするらしいのです。
 考えてみれば当然のことで、もともと果実や作物は、人間が食する為に成っていたわけでもなく、生態系が成り立っていた自然環境の中で、自らの子孫繁栄?のために果実などを成らせていたものを、勝手に人間が自分達が食べる為に都合のいいように育てていたという事を考えますと、本当は自然に成らすのが正当といえます。
 それは人間の都合によって果実や作物から害虫を避けようとし、収穫量を増やそうと品種改良を重ねた結果として、現在のような栽培方法でしか収穫できないように仕向けてしまったのでしょう・・・。