【がんばる 頑張る】・・・ 我(が)に張(は)る の音変化、また「眼張る」の意からとも。「頑張る」は当て字。 大辞泉引用
最近はあまり言われる事が少なくなりましたが、何年か前からか「がんばれ」という言葉を人に言ってはいけないような風潮があったように記憶しています。確かに「がんばる」という言葉には人にプレッシャーを与える力がありますので、使い方によっては逆効果になる場合があると思います。しかし、何故そうなのかと考えて見ますと、「がんばる」という言葉は非常に抽象的で、「.勉強を頑張る」「仕事を頑張る」と言っても一体何をどういう風に頑張るのか全く具体的ではありませんので、目的や目標があってもそれを実現させるための手段が明確にできない場合は、何をやっていいものかも分からずに、焦りだけが高まっていくからなのでしょう。大変失礼なお話ですが、確かに今まで私の出合った人の中で、しきりに「頑張ります」と言っていた人は、やる気も十分ですし、実際に行動を起こすのですが、手段がはっきりしていないので気持ちだけが先行した結果、すぐに失速し成果が残せない人が多かったように思えます。
逆にやることはやった後にスパッと「あきらめる」ことを知っている人の場合は、(もちろん努力もせずにすぐにあきらめる人の事は例外ですが)失敗したことや無くしてしまった仕事や物を、いつまでもクドクドと考えずに、その教訓を生かして.次につなげる事ができる人が多かったように思えます。
そう考えますと頑張るという言葉は、一般的には比較的良い言葉というイメージであると私は思っているのですが、冒頭の「我を張る」から音変化した言葉ということを考えますと、本来は決して良い言葉ではないのかもしれません。確かに「我を張る」を直訳すると、自分の主張をあくまでも押し通すということなので、悪い言い方をすると周りのことを考えないワガママなこと、ということになります。逆に「頑張るな」と言うほうが良いのかといいますと、個人的にはそれも何か違うような気がしますので難しいところです。例えば重い病気の人に「あんまり頑張らなくてもいいよ」と言うのは最近ではそれも良しという風潮ですが、そんなことをいわれた本人からしてみれば「頑張らずに死ねというのか」ということになりますので注意が必要です。
しかし、こんなことを思っていましても、実際には何故か人に対して「がんばって」と言ってしまっている自分がいます・・・。