露鵬

 少し前に幕内・露鵬が記者を殴ったとした暴力事件を起こし問題になりました。日本の伝統文化である大相撲の歴史の中で、このような事件は初めての不祥事と大々的に報道されました。確かにあの様な体格の力士が一般の人に対して暴力を振るう事は、決して許されるものではありません。また、技は勿論の事、心の研鑽を行っている日本の国技に係わる者としての行動としても決して許される行為とは思えません。
 現在の相撲界は外国人力士の活躍が目覚しく、個人的にはその事に関して日本人として少し残念な気持ちは有りますが、逆に考えますと国技である相撲も柔道や空手のように世界中で行われ、世界大会などが開催される日も来るのかもしれないと考えますと、日本の文化や心というものを、今以上に世界の人々に広められることであると思えば、それも良しと思えたりもします。
 話は戻りますが、露鵬は非難される行動を何故取ったのかと考えますと、「文化・思想が違うから」と言う方が多いように思います。しかしここでその昔、若貴がマスコミの前で殆ど話をしなかったことを思い出してみて下さい。あの行動は何を意味していたのかと考えますと、私の個人的な意見としては、彼らは自分の意見を述べようものなら全く違う意味の記事や報道にされるがゆえに、マスコミに対し全く信頼を置かず、必要最低限の言葉しか発しなかったのだと思います。今回の露鵬の行動に関しては、何度も申し上げますが決して許されるべきものでないことは明白です。しかし、想像の域を超えませんが、若貴のそれに当てはめてみた場合、今までのマスコミに対して蓄積した不満があったからそういった行動に出てしまったとも考えられます。私は以前からこのコラムでも書いていますように、マスコミに対して決して良い感情は持っていませんので余計にそういったことを考えてしまうのかも知れませんが、彼らの態度をブラウン管越しに見ていますと、そう考えざるを得ません。
 「報道の自由」「真実を伝える義務」と称し、傷ついた人の心の中へ土足で上がり込み、かき回すあの行動や態度。話したくない心境の人に対し何の権限かあるのか知りませんが、やたらと挑発するようなあの言葉や態度。そういった行動や態度で相手を傷つけているも拘わらず、自身が被害を被ると報道という凶器でやたらと攻撃をし、あたかも自分達は全く非が無く、全面的に相手が悪いと非難するというその姿勢。全ての報道関係者がそうではないと分かってはいますが、それほどの凶器を自分達は扱っているんだということを十分に認識して頂きたい物です・・・。