プレジデント

 先日、会社で定期的に届けてもらっている雑誌を読んでいると、「脳科学が実証!行動を起こせば、意識は変わる」という記事がありちょっと興味を持って読みました。そこには私自身の常識を覆す記事がたくさん掲載されていまして新鮮でした。その記事は始めに、「われわれの身体は脳によって支配されている」という大きな思い違いから脱する必要があり、現実はまったくその逆である、というのです。わかりやすくいえば、脳の意思によって何かをしたいとか、何か欲しいと思ったと錯覚しているだけであって、現実は身体が発した信号を脳が受け止めた結果にそういう欲求が出るというのです。
 また、脳のリハビリなどは老人よりも若者、若者よりも子供の方が成果が上がりやすいのは、脳の神経細胞は歳とともに減少するので、年齢が低いほど神経細胞の再生が活発だからである、という認識が一般的でしたが、最近になって生まれてから2歳までに神経細胞の約半数が失なわれた後は、100歳までほぼ同じ神経細胞を保ち続けるということが証明されたらしいのです。ですから身体が老化していくので脳に十分な信号が送られなくなるから、思考や記憶力が低下していくというのです。
 確かに人間の三大欲求である「食欲・性欲・睡眠欲」は、身体が欲するから欲求が出てくるというのは納得いきます。ただ、人間にはその他に物欲や支配欲などがありますから、それらは身体が欲しているからというのは少し違うような気がしますので、全てが身体の信号によって脳が支配されているということでなく、多くの部分で身体が支配しているのでしょう。
 その雑誌には、それらを科学的に証明できる細かい事項が記載されていましたが、私には理解できませんでしたのでそれらは省略させていただくとしまして、このことがわかると2行目に記載した「行動を起こせば、意識は変わる」が、今になって理解できてきました。例えば、自分にとって嫌な掃除や作業をする前はできればやりたくないと思うのですが、いざやり始めてしまうと意外と夢中になってやっていたりします。また、非常に困難だと思っていた仕事なども、いざやり始めると思っていた以上に困難であったとしても何とかやり遂げることができたりしました。
 そう考えますと、何かを始めるときにまず身体を動かしてみることが何よりも重要で、身体を動かさなければ心も前向きになりにくいということです。そして身体を動かしてみて、目標に達する自分自身をイメージしていけば、身体からの欲求も脳からの欲求も満たすことができるくらいの結果が残せる、ということではないでしょうか・・・。