人の悩みの儚さ

 今年も暑い夏も終わり、1年のうちで最も過ごしやすい季節「秋」になりました。早いもので今年もあと2ヶ月で、また慌しい年末を迎えることになります。以前のコラムでも書きましたが、年々歳を重ねるごとに1年という期間がだんだんと短くなってきて、今では1年という時間の感じ方は、小学生の頃でいうと3ヶ月くらいの期間という気がしてきます。
 歳を重ねていって昔と違うのはそれだけではありません。体力もそうですし、記憶力もそうですし、何もかもが段々と衰えていきます。また、これは恐らく私だけが知らなかった事だとは思いますが、最近私は運動量が減ったので肥えてきているのだとばかり思っていたのですが、実は、若い頃と同じ量の食事をして、同じだけの運動量をしたとしても、新陳代謝機能が低下している為にカロリーを消化しきれずに脂肪が蓄積されて肥えてくるらしいのです。それを聞いて「なるほど中年太りの要因はこれか!」と一人で納得している自分がいるのでした。そんな事が分かってからも、旺盛な食欲や飲酒欲が一向に減ることを知らず、日に日に体はドンドンと成長していき、今では学生時代の自分の写真を見る度に「ああ、おれもこんな頃があったんやなぁ」と深い溜息をついたりしています。そんな日本の現代社会に生息する「欲」という悪い虫を体中に飼いながら、世界中で起きている飢餓による暴動や戦争のニュースを見るたびに、何かしら非常に情けない気持ちになるのは私だけでしょうか?
 話は変わりますが、最近ニュースを見ていて感じることは、大規模な地震や津波、ハリケーンなどの自然災害が、世界各地で頻繁に起きていることが、昔から今のように頻繁にあったのかな、ということです。確かに私が幼い時にそんなニュースを見ても、最近に見た事のように鮮明に覚えてはいないでしょうからそれを差し引いて考えるべきだとは思いますが、それを差し引いて考えても、今世界で起きている自然災害の規模や数は、多くないでしょうか?地球が誕生してから46億年という途方もない年月が過ぎていますが、その中で人類が誕生してから現代文明を築き上げるのに、わずか1万年しか経っていない中で、現代叫ばれている環境汚染が始まったのはわずか100年余りの出来事です。もし地球の46億年の歴史を1週間とすると、100年という年月は実に0.01秒という目にも留まらない時間です。その時間で人間は核実験や大気汚染、海洋汚染などを行っているものですから、地球さんも「なんかムズムズするな、ハックション!」としているのかも知れません。
 そう考えると人間の悩みなんて、ほんとに儚いものですね・・・。