価値

 価値・・・物がもっている、何らかの目的実現に役立つ性質や程度。値打ち。有用性。「―ある品物」「―を損なう」「言及する―もない」(大辞泉引用)
 物の価値というのは、それを利用しようとする又は、使用する者がその物をどれだけ貴重に思うか、またその様な思いをどれだけ多くの者がするかによって変化します。その際たるものとして例えば「お金」の紙幣などは、本来であればあの紙切れ1枚にどれだけの価値があるのかと考えて見ますと、原価から言っても一万円が約22.2円、五千円は約20.7円で2千円札は16.2円、千円札は約14.5円ということですので、とてもではありませんが、原価では額面通りの価値はありません。それを考えれば、硬貨の原価の方が紙幣よりも高く500円玉で30円程。100円玉で25円、50円玉で20円、10円玉で10円と金額が低くなればなるほど原価と額面との差がなくなり、ついには5円玉が7円、そして1円玉が3円と額面を原価がオーバーしていますので、本来ならば1円玉が一番価値があるものになるはずです。しかし先述しましたように、いくら原価が高くてもそれを利用する者が「その価値なし」と判断すれば価値は低くなりますし、逆に「価値あり」と判断すればただの紙切れも価値が上がります。同じようなものに貴金属や宝石などがあります。現代では先述の「お金」は生活していく上で最低限の金額は必ず必要となるものですが、貴金属や宝石などは生きていく上では必要不可欠なものではありませんので、本当に欲しいと思える方には非常に価値のあるもので、全く興味の無い方には全く価値の無いものです。
 また少し考え方を変えて「価値」を見てみますと、食べ物というのは生物が生きていく上で必要不可欠なもので、その種類や分類などによって本来は価値の変るものではないはずなのですが、こと人間社会の中では簡単に栽培や養殖できるものであったり、簡単に手に入るものは価値が低く(安く)、入手困難なものや、栽培や養殖が出来ないものなどは価値が高く(高く)なってしまいます。(しかしペットでも好き嫌いはありますが)
 そういった価値というものは、バブルの超インフレから急展開で起きたデフレ現象によって紙幣価値が低下してきていることなどを考えますと人間社会の中では常に時代とともに変化しています。そう考えますと自分自身の「価値」というものも、時代や年齢、環境、地位や立場によって変るものなのであれば、それを今以上に低くならないような努力を常日頃欠かさないようにしていかなければと考えてしまいます・・・。