履修単位不足問題

 先日、ご存知のように高校の履修単位不足問題が発覚しました。初めは他人事ながら、こんな大きな問題が卒業半年前に発覚してしまった生徒達や先生達はさぞ大変なことだろうなと思っていましたが、何のことはない、全国の多くの進学校では当たり前のようにまた、故意的に偽装してまで必修単位を履修していなかったということです。
 これを知った時に私は、私が高校の時には将来のことや進学の事などは、現実逃避に近い考えで、時間の成り行きに任せて過ごしていましたので、これとこれの授業を受けなかったら、卒業できないといったような履修単位の事などは先生が管理してくれていて、自分自身では全く管理していませんでした。ですからその問題の高校3年生達の立場になったら「そんなアホな」ということになっているんだろうなと思っていましたら、中には自分達から学校側へ要求したというような事実もあったと聞き、今の子供たちは私の数倍大人なんだなと思いました。
ここでこの問題を私なりに整理してみますとこういう風になりました。
・国は、世界史や日本史や地理は、どんな生徒にも必要な勉強だから必須としている。
・生徒や親達は、世界史や日本史や地理を万遍なく履修とことは、受験に即した勉強することにならないので、履修したくない。
・学校は、生徒が希望する勉強をしたり、有名校に進学する為の勉強方法を取って評判の良い学校になりたい。
・それを知った国や世間は、「学校はとんでもないことをした」と非難している。
 確かに国や生徒や親、学校の言い分はそれぞれに分かります。しかしこの状態は、少し違いますが次の状態に似ているような気がします。
・国は事故を起こさない為に、現在の車と比較して著しく劣る性能の車しかない時代に法定速度を決め、しかもそれを改定していない。
・運転手は見通しの利く直線道路では安全と思うので、法定速度では走れない。また、法定速度で走っていたら、他車に迷惑が掛かるので、流れに乗って走りたい。
・警察は「法定速度を何キロオーバーです」と見通しの利く直線道路で違反切符を切る。
 結局誰もが「改善した方が良いのに」と思うような事を、愚痴では言いますが、他人任せにして根本的な改善をしようとしない結果が、色々な障害や不正、違反が生じる土俵を造っているのでしょう・・・。