「の」の字

 私は最近、殆ど電車に乗らなくなりました。というのも名張市という車社会に慣れてしまうと、スーパー等に買い物に行くときは勿論の事、コンビニへ行くにも車で行くことになりますので、出かけるときは必ず車がつきもの、という感じになりました。その為大阪に行くときも、京都に行くときも、ましてや関東に行くときでさえも自分で運転したほうが楽という感覚になっていますので、遠方で社用の飲み会があるとき以外は、常に車で出かけるという感じです。ですから会社勤めの頃を思い出しますと、毎朝6時の電車で名張から大阪までよくも毎日普通列車で通えていたなと感心したりします。それに加え通勤時間の地下鉄は、本当にギュウギュウ詰めの状態で、カバンなどは抱えていないと人の流れでどこまで腕が引っ張られる分からないくらい大変な思いをしました。
 そんな中ふと思い出したのが、ある時直行で会社とは違う所に行く時に普段と違う路線に乗っていたのですが、私の臀部あたりに「の」の字を指で描かれているような感触がしたのでドアが開いた時に後ろを振り返ると、何と50過ぎのオジサマが私の臀部を人差し指で「の」の字を描いているではないですか!それを確認した私は、気持ち悪いとか、腹が立つとかの感情ではなく、ものすごく可笑しい感情がこみ上げてきまして、一人前を向いて笑いをこらえていたことを思い出します。こんな事も私が20歳前半といえども男性だったので、本当に笑い事で済まされますが、これが女性だったら笑い事では済まされません。正直毎日同じ電車に乗っていますと気づくのですが、人に押されるのを良い事に必ず女性に引っ付いていく不審な挙動をする同じオジサマがいまして、何度現場を押さえてやろうかと思い近づいたりしましたが、余計な事をして逆に私が冤罪をかけられる危険性も感じましたので、途中で諦めた事もありました・・・。