格差社会

 最近TVを見ていますと、盛んに「格差社会」というフレーズを聞きます。私はこの「格差社会」というフレーズに対しいつも違和感を覚えずにはおられません。以前のコラムにも書かせて頂きましたが、今の日本の社会は、私が見える範囲ではどう考えても「格差社会」というほどの格差があるようには見えないからです。
 私が今迄に見てきた東南アジアや東アジアの国々は、都市部においてはその都市開発や交通網などは素晴らしく整然と開発され、高層ビルやショッピングモール、高級ホテルが立ち並ぶ街には世界のブランドショップが溢れ、数千万もする超高級車が至る所で走っています。但しそれは平均所得水準が日本円にして年収100万円にも満たない国で、です。そんな国ですから、街中で足元を見れば埃で汚れた子供を抱いた母親が物乞いをし、一番の働き盛りの男が道路で昼間から博打したり、寝ていたりします。日本とは違い冬の寒さのない国では、路上生活していても凍死することがない為、普通に路上で生活しています。また都市部の川の近くにはスラム街があり、そのスラムで生まれ育った子供は決してそこから抜け出すことができず、そこでまた次の世代が生まれていきます。そんな今日の飯にもありつけるかどうかの生活を送っている人が大多数存在する中で、豪邸に超高級車を何台も並べ、高級ワインを飲んでいる人たちがいる世界こそ「格差社会」なのではないかと感じるのです。
 逆に都市部から外へ出てみると、昔からの村が存在するところが多く、ここでは決して裕福ではないが、質素な生活のなかで皆ニコニコと生活しています。故意や事件でない限り飢えで死ぬことが少なく、女性や子供でも夜道を歩くことができるこの日本のどこが「格差社会」なのか私には理解できません。守られた環境にいる人ほど人を妬み文句を言う、そんなところですかね・・・